筋肉を最大収縮させて強い刺激を得る
「ピークコントラクション法」について
基本の方法やルーティンへの取り入れ方などを解説していきます。
ピークコントラクション法とは
ピークコントラクション法とは、ウイダートレーニング原則のひとつで、トレーニング中の動作で一番力を入れたポジションで動作を1~2秒止め、筋肉にさらなる刺激を与えるトレーニング方法です。
”筋肉が最大限に収縮されるポジション”
筋肉が最大限に収縮されるポジションは、アームカールを例にすると、肘を完全に曲げきったトップポジションで上腕二頭筋が最大収縮します。
筋肉を収縮させたまま、このポジションを保持することによって、上腕二頭筋に強烈な痛みを引き起こす刺激が与えられます。
これが「ピークコントラクション」であり、レップ効果を最大限に得ることができます。
「ピークコントラクション法」の基本
「ピークコントラクション法」は、通常のレップスピードで動作を行い、トップポジションで1~2秒静止し筋肉を強く収縮させるトレーニング方法です。
ターゲットの筋肉をできる限り強く収縮させた状態を保持することにより、筋肉の緊張時間を増やし、より強い刺激を筋肉に与えることができます。
「ピークコントラクション法」に最適な部位
■ 背中
■ 僧帽筋
■ ハムストリングス
■ 上腕二頭筋
■ 上腕三頭筋
■ カーフ
■ 腹筋
スクワットやレッグプレス、ランジ、ハックスクワットなど、静止して筋肉を最大限収縮させるという局面のない種目は「ピークコントラクション法」に適さない種目となります。
ストレッチ肢位で負荷がかかる種目には「ピークコントラクション法」は適さないのです。
例外として、レッグエクステンション(大腿四頭筋)や、ペックデッキ(胸)、マシン・リア・ラテラルレイズ(肩)など、大腿四頭筋や胸、肩の種目でも「ピークコントラクション法」を適用できる種目もあります。
これらマシンやケーブルを使う種目は、重カと異なる方向に負荷を与えることができるため、それに対抗した強い筋収縮を行うことが可能となります。
「ピークコントラクション法」のルーティン
ピークコントラクション法のルーティンを上腕三頭筋を例にご紹介します。
上腕三頭筋のルーティンには、ケーブル種目が2種目含まれています。
ケーブルを使用することで、腕を伸ばしたトップポジションでも上腕三頭筋のテンションが維持され、ピークコントラクションが強化されます。
トライセップスプッシュダウン、ケーブル・トライセップスエクステンションともに、腕を伸ばして肘関節をロックしたポジションで静止し、筋肉を強く収縮させた状態を2秒保持するとより効果的です。
ベンチプレスは胸のトレーニングとしては、ピークコントラクションを得ることができない種目になります。
その理由は、肘を伸ばしたポジションでも、曲げたポジションでも、胸筋に十分なテンションが得られないからです。
しかし、上腕三頭筋の種目としてナローベンチを行えば、トップポジションで上腕三頭筋を最大限収縮させることができ、トップポジションで上腕三頭筋を強く収縮させ2秒静止すると強いピークコントラクションを得ることができます。
「ピークコントラクション法」を適用したセット・レップ数
上腕三頭筋のルーティン
◆トライセップス・プッシュダウン
4セット 10~12レップ
◆ケーブル・トライセップス・エクステンション
4セット 8~10レップ
◆ナロー・ベンチプレス
4セット 10~12レップ
筋肉を最大限に収縮させた状態で、6~10秒静止する。
ピークコントラクション法のメリット・デメリット
ピークコントラクション法のメリット
■ 筋肉の緊張時間の増大
ピークコントラクション法を行うことで、筋肉を働かせている時間が引き延ばされます。
その結果、筋肉に対する刺激が増大し、筋肥大がさらに促されるのです。
■ 集中力の強化
ジムではしばしば、漫然とウェイトを上げ下げしているだけというケースが見受けられる。
ピークコントラクション法を行うことで、ターゲットの筋肉に意識が集中し、意識を集中して動作を行うことは、トレーニング全体の効果を高めることにつながります。
ピークコントラクション法のデメリット
■ 使用重量が軽くなる
ピークコントラクション法での使用重量は軽くなります。
そのため、トレーニングルーティンには通常の方法で行うセットも含めるか、ピークコントラクション法を使うトレーニングと通常形式のワークアウトを交互に行う方法をとるようにすると効果的です。
■ 適用できる種目が限られる
ピークコントラクション法が適用できない種目は多い。
動作途中で静止し、筋肉を最大限に収縮させる効果を安全、効果的に引き出すことができないトレーニングも多いのです。
ピークコントラクション法を最大限効率化するために
ターゲットの筋肉をさらに重点的に強く収縮させるために、「ピークコントラクション法」と「アイソテンション法」を組み合わせる方法はとても相性が良く効果的です。
※アイソテンション法・・・ウェイトを使わず筋肉を最大限収縮させた状態を保持するテクニック
「ピークコントラクション法」×「アイソテンション法」
毎レップ、筋肉を最大限に収縮させた状態を1~2秒保持する。
最終レップを終えたら、ウェイトを使わずターゲットの筋肉を最大限収縮させて6~10秒保持する。
ケーブルカールを例にすると、肘を完全に曲げたポジションで上腕二頭筋を最大限収縮させ、2秒静止する。
1セット終えたら、ウェイトを持たずに肘を曲げて上腕二頭筋をできるだけ強く収縮させ、6~10秒静止する。
「ピークコントラクション法」と「アイソテンション法」を組み合わせて使うことで、両方のテクニックがさらに強化され、ターゲットの筋肉をさらに徹底して刺激することができるのです。
「ピークコントラクション法」筋肉の収縮を最大限に高めるテクニック【まとめ】
トップポジションで筋肉を最大収縮させた状態を保持することにより、筋肉の緊張時間を増やし、より強い刺激を筋肉に与えることができる。
最適な部位は、背中、僧帽筋、ハムストリングス、上腕二頭筋、上腕三頭筋、カーフ、腹筋。
アイソテンション法と組み合わせることでより効果的となる。
ピークコントラクション法は筋肉を限界まで収縮させることにより、筋肉内に乳酸が溜まり、筋肉がはち切れるほどにパンプアップします。
正直この状態がかなりツライし痛いしヤバいです。結構な精神的ストレスがかかる種目でもあります。
ですが、そのかわりに究極のパンプアップを感じることができ、トレーニング後、鏡で見た自分は別人となっているでしょう。
ピークコントラクション法は筋肥大にはもってこいのトレーニング方法なので、トレーニングルーティンの一つに取り入れていただきたいと思います。
