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【超解説】ボディビルにおけるカーボアップ必勝法【やり方・食材・トレーニングなど】おすすめサプリメントも紹介

にくまる
にくまる
ボディビルコンテストにおけるカーボアップには『アルボル法』が最適だニャン

✅ 本記事の内容
・カーボアップついて
・カーボアップのやり方3種を超解説

・カーボアップ3種のメリット・デメリット
・カーボアップに効果的な食材・サプリメント

ボディビルコンテストでは、減量の最終調整で失敗する人がとても多いのが実情です。

知識もなく
死にそうになりながら
無駄ともいえるような最終調整をし
最後の最後に失敗する。

そんな選手を私はたくさん見てきました。

そんな悲惨なことにならないよう、この記事を読むことで、バキバキバッキ―な身体に仕上げることができる様になりますよ。

カーボアップとは

カーボアップとは

「カーボハイドレート(carbohydrate)=炭水化物」
「アップ(up)=上げる」

という意味です。

■ カーボカウント
■ カーボローディング
■ グリコーゲンローディング

とも呼ばれています。

ボディビルのコンテストにおいて、減量の最終調整として筋肉を張らせ、血管を浮きだたせ、体をより大きく見せるために行います。

もともとカーボアップはマラソンや自転車競技などの持久系競技において使われてきた手法でもあります。

カーボアップを行う理由

カーボアップは筋肉内により多くのグリコーゲンを貯蔵させる手法です。

グリコーゲンとは、ブドウ糖を体内に貯蔵できる形態にしたもので、主に筋肉と肝臓、そして血液内に溜め込まれます。

グリコーゲンは容易にエネルギー変換できるため、カーボアップを行うことで持久力をアップさせることができます。

そのため、マラソンランナーやトライアスリートなどの持久力系競技を行うアスリートにとっては、競技前にカーボアップを行うことが常識となっています。

また、筋肉内にグリコーゲンを溜め込むことで筋肉そのものの体積が増えます。

つまり筋肉を大きくすることができるので、ボディビルコンテストでもカーボアップを行うことが主流となっています。

カーボアップのメリット

ボディビルにおいてカーボアップのメリットは「筋肉のサイズアップ」になります。

グリコーゲンは『糖質 : 水分 = 1 : 3 』の割合で生成され、細胞に吸収される性質があります。

つまり、筋肉内にグリコーゲンが取り込まれると、それに伴い筋肉内の水分量も増えるため、筋肉に張りが出てサイズアップしたかのように大きく見せることができます。

これがコンテスト直前にカーボアップを行う目的になります。

持久系競技のアスリートにとってのカーボアップは「持久力のアップ」が一番のメリットです。

体内に取り込まれたグリコーゲンは酸素と結合してエネルギー源となるため、長時間のパフォーマンスが可能になります。

他にもカーボアップを行うことにより、次のようなメリットがあります。

カーボアップのメリット

■ インスリンを分泌し、アナボリック環境を作る。
■ グルカゴン、コルチゾルの低下により、カタボリックを防止。
■ 組織内の電解質やグリコーゲン、アミノ酸が減少している場合、それを元のレベル以上に戻す。
■ インスリンの作用で電解質やグリコーゲン、アミノ酸が細胞内に運び込まれることで、細胞が膨れ上がり(cellular expansion)、筋肥大の引き金となる。
■ 甲状腺ホルモンの活性低下(T4→T3への変換低下)を防ぎ、代謝を高く保つ。

カーボアップのデメリット

カーボアップのデメリットは大きく2つあります。

◆ カーボアップのデメリット ①

カーボアップ中は体脂肪が減少しなくなります。
カーボアップのやり方を間違えると、インスリンの働きによって体脂肪が増えてしまう可能性もあります。

◆ カーボアップのデメリット ②

カーボアップを行うことで一時的に体重が増加し、持久系アスリートにとってはパフォーマンス低下を引き起こすこともあります。

そのため、目的に合わせ、正しい知識をもってカーボアップに取り組むことが大切です。

カーボアップ|3種類のやり方を解説

カーボディプリート、カーボアップの意味

「カーボハイドレート(carbohydrate)=炭水化物」を「ディプリート(deplete)=枯渇」or「アップ(up)=上げる」させるという意味です

① カーボアップ:アルボル法 ( Ahlborg法 )

アルボル法は「古典法」とも呼ばれるカーボアップの方法です。
カーボディプリート期間とカーボアップ期間の2つの期間を組み合わせる方法で行います。

多くのトレーニーが実践している方法で、もっとも筋肉のサイズアップが期待できるカーボアップ方法です。

カーボアップ:アルボル法のやり方

◆ コンテスト7~4日前:カーボディプリート
糖質制限食で筋肉内のグリコーゲンを使い切る。

◆ コンテスト3~1日前:カーボアップ
トータル摂取カロリーは変えずに炭水化物摂取量を摂取カロリーの90%にする。トレーニングは休む or ウォーミングアップ程度に控える。

アルボル法はコンテストの1週間前から始めます。

一般的には最初の3~4日間で糖質制限とトレーニングで筋肉内のグリコーゲンを枯渇させます。これをカーボディプリートといいます。

そして、残りの3日間で大量の炭水化物を摂取してカーボアップを行います。

カーボディプリート期間の食事は、減量時に設定した炭水化物の摂取量を10%にし、不足カロリー分はタンパク質と脂質で補います。

カーボディプリート期間のトレーニングは、通常の60~70%の重量にセットし、レップ数、セット数を増やして疲労困憊まで追い込みます。これにより、体内に残っているグリコーゲンを徹底的に枯渇させるのです。

カーボディプリート終了後にカーボアップを3日間行いますが、トータル摂取カロリーは変えずに炭水化物摂取量を摂取カロリーの90%にします。この期間のトレーニングは極力抑え、グリコーゲンをできる限り筋肉に取り込むことを優先させます。

② カーボアップ:シャーマン / コスティル法 ( Sherman / Costill法 )

シャーマン/コスティル法は、アルボル法よりも負担の少ないカーボアップの方法です。

カーボアップ:シャーマン / コスティル法のやり方

◆ コンテスト7~6日前
トレーニング通常、炭水化物量はトータル摂取カロリーの50%

◆ コンテスト5~4日前
トレーニング40分、炭水化物量はトータル摂取カロリーの50%

◆ コンテスト3~2日前
トレーニング20分、炭水化物量はトータル摂取カロリーの70%

◆ コンテスト1日前
トレーニング完全休養、炭水化物量はトータル摂取カロリーの70%

シャーマン/コスティル法もアルボル法と同様に、コンテストの1週間前から始めます。

シャーマン/コスティル法の食事は、最初の3~4日間は通常の食事を続け、炭水化物摂取量はトータル摂取カロリーの50%程度にします。そして、後半の3日間で炭水化物摂取量をトータル摂取カロリーの70%にします。

トレーニング強度は変えずに少しずつ時間を減らしていき、3日前以降は軽く体を動かす程度か完全に休養します。

具体的には、トレーニング時間を、1日目は90分、2~3日目は40分、4~5日目は20分程度のトレーニングとします。

③ カーボアップ:短期間法

短期間法は、24時間で行うカーボアップの方法です。

短期間法は、西オーストラリア大学が2002年に発表した最新のカーボアップ方法で、24時間で行うことができるシンプルな方法です。

カーボアップ:短期間法のやり方

短期間法は、高強度の有酸素運動後、高GI値の炭水化物を摂取するという単純なものです。

◆ Vo2maxの130%で150秒間の自転車漕ぎ運動を行う。

◆ 引き続き、全力のパワーで30秒間漕ぎつづける。

◆ その後、24時間にわたって除脂肪体重1kgあたり12gの炭水化物を高GI食品で摂取する。

※VO2maxとは、有酸素運動によって体内に取り込まれる酸素量のことで、最大酸素摂取量のことを指します。

高GI値の炭水化物(白米、うどん、バナナなど)は体への吸収が早く、インスリンの分泌を促進するため、グリコーゲンの生成が効率的に行われます。

また、実験ではエアロバイクが使用されていますが、ランニングとダッシュによるインターバルトレーニングも有効です。

カーボアップのメリット(種類別)

カーボアップ|アルボル法のメリット

アルボル法は筋肉のサイズアップが、もっとも期待できるカーボアップの方法であり、コンテスト出場前の最終調整として最も多くのトレーニーから支持されています。

アルボル法は、体内のグリコーゲンが枯渇状態のときに炭水化物を大量に摂取することで、ホメオスタシスのリバウンド効果により、通常よりも多くのグリコーゲンが吸収されるというメカニズムによるものです。

アルボル法によって筋肉に約3倍、肝臓に約2倍のグリコーゲンが蓄えられるとされています。

グリコーゲン1gは水3gと結合するため、単純計算で考えると300gのグリコーゲンに対して900gの水が蓄えられるため、体重が合計1,200g増加することになります。

カーボアップ(グリコーゲンローディング)を行うと、筋肉中のグリコーゲンは2~3倍に増加し、肝グリコーゲンは約2倍に増加します。

これにより、ボディビルでは筋肉がサイズアップ、持久系競技では持久力をより伸ばすことが可能となります。

水3gは貯蔵したグリコーゲン1gと結合するので、グリコーゲン300~400gを補給増加すると900~1,200gの水をともない、体重として1,200~1,600gが増加する計算となります。

カーボアップ|シャーマン / コスティル法のメリット

シャーマン/コスティル法の一番のメリットは、肉体的、精神的にストレスが少ない状態で、グリコーゲンを増やすことができることです。

アスリートにとって、大会の1週間前にアルボル法のような極端な糖質制限と過度な運動は、体調を崩してしまう可能性も高く、大会当日に十分なパフォーマンスを発揮できないことがあります。

そのため、持久力アップを目的とするアスリートには、シャーマン/コスティル法が適していると言えるでしょう。

カーボアップ|短期間法のメリット

短期間法は、計量の必要な格闘技などの選手におすすめのカーボアップ方法です。

計量直前に高強度の有酸素運動を行い、計量後すぐに高GI値の炭水化物を摂取することで、短時間で速筋と遅筋両方にグリコーゲンの蓄積を行うことができます。

カーボアップのデメリット(種類別)

カーボアップ|アルボル法のデメリット

アルボル法は、肉体的にも精神的にもストレスが大きい方法です。

カーボディプリート期間中グリコーゲンを枯渇させるために、高レップ&高セットで疲労困憊までトレーニングするために、筋肉の痙攣、胃腸の不快感、免疫低下、集中力低下など、コンディションを崩す選手も少なくありません。過剰な糖質制限からの炭水化物の大量摂取は、内臓にもかなりの負担がかかります。

カーボアップ|シャーマン / コスティル法のデメリット

シャーマン/コスティル法は、筋肉を大きく見せる目的のトレーニーにとっては不向きな方法と言えます。

筋肉を大きく見せるには、リバウンド効果を利用して水分と結合したグリコーゲンを一気に取り込むことがポイントです。

ですが、炭水化物摂取量の増減が少ないシャーマン/コスティル法は、ホメオスタシスのリバウンド効果が起こりづらいカーボアップ方法でもあります。

体に負担の少ないシャーマン/コスティル法はアスリートには最適ですが、筋肉のサイズアップを目的とするトレーニーにはアルボル法が適していると考えられています。

カーボアップ|短期間法のデメリット

短期間法は、体重規定のある格闘技(ボクシング、レスリング、柔道)などに特化したカーボアップの方法であり、ボディビルのような筋肉のサイズアップ目的のカーボアップにはあまり相応しくない方法です。

ボディビルコンテストに最も適したカーボアップ方法

コンテスト当日に照準を合わせて筋肉を大きく見せるためには、アルボル法が最も効果的です。

ですが、アルボル法によるカーボアップは、やり方を間違うと身体が仕上がらないばかりか、ぶっ倒れるレベルの選手も出てきます。

何事もやり過ぎは禁物。

正しい方法を実践していきましょう。

カーボアップに効果的な食材(炭水化物)

カーボアップには高GIの炭水化物がおすすめです。

◆ 高GI食品
ブドウ糖、マルトデキストリン、シリアル、ジャガイモ、白米、餅、うどんなど
和菓子(あんこ、大福、どら焼きなど)は高GIかつ脂質も少ないため、おすすめ。

チョコレートやケーキなどの洋菓子は、糖質だけでなく脂質も多く含まれているので摂取は控えたほうが良いでしょう。




 

カーボアップに効果的なサプリメント

クエン酸

炭水化物は解糖系というATP産生機構でエネルギー化されます。
しかしクエン酸を摂取すると、解糖系における酵素 (ホスホフルクトキナーゼ) の働きが阻害されます。
つまりクエン酸は炭水化物のエネルギー化を防ぎ、グリコーゲンとして蓄積されるのを促進してくれるということです。
そのため、カーボアップ時にクエン酸を摂取することで、グリコーゲンの蓄積を効率的に行うことができます。
クエン酸の摂取量としては1日に6~10ℊを目安に摂取すると良いでしょう。


カフェイン&BCAA

「カフェインとBCAAの同時摂取」により、さらに持久力を高めることができます。

13名のアスリートに炭水化物とカフェイン、BCAAを含んだドリンクを摂取させたところ、2時間のランニングにおいて2%のパフォーマンス改善が起こったという研究があります。

カフェインは脂肪細胞からの脂肪酸放出を刺激し、運動中の脂肪のエネルギー化を促進してくれるほか、アデノシンと構造が似ているため、アデノシン受容体に結び付くことができます。
アデノシンはドーパミン作動神経の働きを阻害しますが、カフェインがアデノシン受容体に結び付くことでそれが抑制され、ドーパミン作動神経が強く働くようになります。
その結果、集中力がアップするということになります

そして、BCAAは筋肉内でエネルギーとしても使われ、特にグリコーゲン枯渇状態ではBCAAが脂肪酸のエネルギー化を促進し、疲労が起こりにくくなることが示されています。



NO系サプリメント

血管拡張作用を持つ一酸化窒素(NO)。
NOはアルギニンを材料として作られるため、アルギニンを摂取することで体内におけるNOの合成が高まります。
そしてNOの合成が高まることで血管が拡張し、酸素や栄養素の運搬がスムーズになり、持久力が向上するのです。

アルギニンはシトルリンと組み合わせることで効果をさらに高めることができます。
シトルリンは体内で尿素サイクルにより、アルギニンに容易に変換されます。
1回750mgのシトルリンを1日2回摂取することにより、体内のアルギニンレベルを十分に高めることができます。

アルギニンとシトルリンを同時に摂取することでアルギニンのアルカリ性は抑えられ、また「シトルリン→アルギニン」となることによるタイムリリース効果も期待できます。

ちなみにカフェインはアルギニンを分解する酵素を阻害するため、体内のアルギニンレベルを高め、さらにNOを増やすことができます。
カフェイン、アルギニン、シトルリンの3種同時摂取は、互いに相乗効果をもたらし、より高い効果をもたらします。

アルギニンはアルカリが強いため、アルギニンを単独で大量に摂取すると、胸やけ、消化不良を起こすことがあるため注意が必要です。

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そこで、高GI値の炭水化物を手軽に摂取できるサプリメントを紹介しておきます。




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