サプリメント・栄養

スカベンジャー(抗酸化物質)の防御機構を解説

『スカベンジャー』は別名『抗酸化物質』とも呼ばれ、体の中で生じた活性酸素を無害なものに変える働きしています。

現代社会において私たちはストレスや食品添加物、化学物質に日々晒されています。

そして酸素をエネルギー源として、生体に取り入れることにより様々な活性酸素が発生します。

通常は、この発生した活性酸素が、外部からの細菌やウイルスの殺菌に活躍しているわけですので

『活性酸素=悪』ではありません。

しかし、過剰に出来てしまった活性酸素をそのままにしておくと、細胞に傷害を与えることになります。

そこで、体の中では余分に発生した活性酸素から細胞を守るため、身体防御機構「スカベンジャー」が働き、過剰に発生した活性酸素から身体を守っています。

スカベンジャーの働きは3段階に分かれ、活性酸素・フリーラジカルからの傷害に対し対応しています。

◆ スカベンジャー【第一段階の防御】
予防的抗酸化物によりフリーラジカルの生成を抑制
カタラーゼの働きにより過酸化水素を分解して水に変換。
2H2O2 → O2 + 2H2O

グルタチオンペルオキシダーゼは過酸化水素や過酸化脂質を水、アルコールに還元。
2GSH + H2O2 → 2H2O + GS-SG
2GSH + LOOH → LOH + H2O + GS-SG

SOD(《superoxide dismutase》スーパーオキシドディスミュターゼ、
スーパーオキサイド消去酵素、抗酸化酵素)はスーパーオキシドを水と過酸化水素に変換。

カロテノイドは一重項酸素の消去を行う。

◆ スカベンジャー【第二段階の防御】
フリーラジカル捕捉型抗酸化物により生成したフリーラジカルを消去。

各種酵素の働きにより、フリーラジカルの生成を抑えても、生成されてしまったり、外部からフリーラジカルが入り込んでしまった場合、フリーラジカルが細胞を攻撃する前に捕捉し、連鎖反応を止める働きをする。

水溶性の抗酸化物としては、ビタミンC、尿酸、アルブミン、ビリルビンがあり、水層のフリーラジカルを捕捉。
脂質層内のラジカルは捕捉することができない。

脂溶性のビタミンEは脂質層のラジカルの捕捉。
ラジカルを捕捉することによりビタミンEは消費されてしまうが、水層のビタミンCにより再還元され、元のビタミンEに再生、フリーラジカルの捕捉を行う。

◆ スカベンジャー【第三段階の防御】
フリーラジカルによって傷ついたDNA、脂質、蛋白等を修理、再生。
これには生体膜の過酸化脂質を除去する酵素として、ホスフォリパーゼA、
蛋白の傷害に働くプロテアーゼ、核酸に働くエンドヌクレアーゼがある。

難しいですが、私が言いたいことは『現代社会において身体のスカベンジャー機能だけでは本来の恒常性を維持できない!のではないか』という事です。

体外から取り入れるというのも一つの手で、ビタミンC、E、B群、βカロテンはスカベンジャーの役割をし、活性酸素による酸化を抑えてくれます。

体内で作られる酵素だけに頼るのではなく、スカベンジャーを含む食品をバランスよく摂ることも重要です。

活性酸素を無害にしてくれる栄養素

◆ビタミンA(カロテン)
のり、わかめ、しそ、パセリ、にんじん、小松菜、ほうれん草など

◆ビタミンB2
うなぎ、レバー、のり、そば、カシューナッツ、たらこ、すじこ、卵、青菜類、納豆など

◆ビタミンC
枝豆、さやえんどう、青菜類、カリフラワー、パセリ、キャベツ、ピーマン、ブロッコリー、かんきつ類、キウイなど

◆ビタミンE
小麦胚芽、植物油(ひまわり油、ヤシ油、サフラワー油など)、種実類(アーモンドなど)

◆アントシアニン
赤ワイン・ココアなど

◆カテキン
緑茶など

◆ロズマリン
ローズマリー

◆ゴマグリナン
ごま、ごま油

◆アスタキサンチン
さけ、いくら、たい、すじこ

◆リコピン
トマト、スイカ

抗酸化は健康やスポーツパフォーマンス向上に必要不可欠である。言葉は知ってるけど実際にはよくわからないという “ 抗酸化 ” そんな “ 抗酸化 ” について考えてみたいと思います。 ...
現役ボディビルダーであり、整骨院院長である私の 「身体のメカニズム基づいた再現性の高い体脂肪燃焼方法」 は、こちらのnoteで全て公開しているので、気になる方は読んでみてください。