筋トレ・ダイエット・栄養

ダイエット後のリバウンド~メカニズムとは~

リバウンドのメカニズム

カロリーや炭水化物などを制限するダイエットをすることで、体重が減り体は細くなっていきます。

では体の中ではどんな反応が起きているのでしょうか?

〇食事制限のプラス効果

・血中グルコースとインスリンが低減、脂肪の分解が活性化する。

・カテコールアミンの分泌が亢進、脂肪がエネルギーとして使われていく。

※カテコールアミンとは…アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンを総称した副腎皮質ホルモン。血糖値を高める作用がある。

・血中脂肪酸が増える。

・肝臓や筋肉で脂肪燃焼が促進される。

・肝臓や筋肉内のグリコーゲンが枯渇、血中の脂肪酸がエネルギーとして使われる。

〇食事制限のマイナス効果

・インスリンの分泌低下は脂肪分解に繋がりますが、テストステロンが性ホルモン結合グロブリンと結びつくことで活性型のフリーテストステロンレベルが低下。

・コルチゾルが増加し肝臓でのタンパク質からグルコースへの変換を活性化させるのと同時に、タンパク質の分解を亢進させます。さらにロイシンに悪作用しタンパク質の合成を損なう。

・筋肉のエネルギー状態が低下し、タンパク質の合成が損なわれる。

・血中脂肪酸の濃度が高まると、T4の肝臓への取り込みが損なわれる。

T3、T4とは…血液中の甲状腺ホルモンのことで、糖代謝やたんぱく質合成などのエネルギーを代謝するための物質。

・血中脂肪酸濃度が高まると組織が甲状腺ホルモンそのものに抵抗性を持つ。

・カロリー制限によりレプチンが減少(肝臓、脂肪、筋組織に様々な影響を与える)に加え、グレリンが上昇(胃から分泌される摂食を亢進させるホルモン)

これらの相互作用により視床下部に『食事が少ない』という信号が送られる。

・POMC(プロオプオメラノコルチン)、CRH(副腎皮質ホルモン放出ホルモン)、NPY(神経ペオチドY)、α‐MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)などの神経化学物質、甲状腺ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、テストステロン及びコルチゾルに悪影響を及ぼします。(テストステロン低下、コルチゾル増加は筋量増加にマイナスに働きます。)

食事制限により変化が起きる理由

〇上記のような変化が起こる理由は大きく2つあります。

  • 食事量減少による生命の危機に対して『脂肪減少率を低下』させ、『体を非活動化』させることです。それに伴い、タンパク質合成、免疫機能、再生産機能、男性機能も非活動化します。
  • 食事量が元に戻った時に『身体の状態を元に戻そうと脳は判断』することで体脂肪が一気に増加します。

 

一般的には脂肪はダイエットの敵となっておりますが、脂肪は人間が生きていく上ではとても重要な役割を持っていますし、重要なエネルギー源でもあります。

 

ダイエットによる生体反応を説明してきましたが、ダイエット後に食事量を元に戻してしまうと、体には上記の逆の反応が起こります。

 

・摂取カロリーと炭水化物量を増やすことで、血中グルコースとインスリンが高くなり、テストステロン、性ホルモン、コルチゾルは低減します。

・炭水化物を増やすと肝臓・筋肉内に貯蔵されるグリコーゲンが増え、筋肉内では脂肪酸が低減しタンパク質の同化が高まります。(インスリン、テストステロンが増加、コルチゾルは減少)

・インスリンが増えると血中脂肪酸濃度は低くなり、インスリン感受性が高くなります。(骨格筋のインスリン感受性は運動によりさらに高くなる)

・血中脂肪酸が減少すると、T4no肝臓への取り込みやT4からT3への変換が促進されます。それと同時に神経系も改善し代謝が亢進されます。

・POMC(プロオプオメラノコルチン)、CRH(副腎皮質ホルモン放出ホルモン)、NPY(神経ペオチドY)が標準に戻り、ホルモンが標準化されます。

 

まとめ

食事制限はダイエットには必須なことですが、アンダーカロリーな食事は筋肉には常にマイナスな要因となることを頭に入れておきたいですね。

 項目  過食  減食
 カロリー  増加  減少
 タンパク質  増加or不変  不変or増加
 炭水化物・脂質の摂取  増加  減少
 インスリン  増加  減少
 Totalテストステロン  増加or不変  減少
 Freeテストステロン  増加  減少
 成長ホルモン  増加  増加
 IGF-1  増加  減少
 甲状腺ホルモン(T3)  増加  減少
 カテコラミン  減少  増加
 レプチン  増加  減少
 グレリン  減少  増加
 コルチゾル  減少  増加
 細胞のエネルギー状態  増加  減少
 タンパク質同化作用  増加  減少
 体脂肪  増加  減少
 筋量  増加  減少
 全体効果  アナボリック(同化)  カタボリック(異化)