男なら誰もが憧れる
オリンピア7連覇チャンピオン、フィル・ヒースのかっこいい腕!!
オリンピア歴代チャンピオン全てに共通する特徴。
それは、見るもの全てを驚愕させる圧倒的な腕です。
腕はバック・フロント・サイド、全てのポージングで重要な部位であり、ボディビルでは腕が勝敗の決め手となることも多い部位でもあります。
今回はフィル・ヒースの腕のトレーニング・ポイントをご紹介します。
しかも2つや3つではありません。
50のポイントです!
『The Gift』
(天賦の才を与えられた者)
Mrオリンピア7連覇 フィル・ヒース
Mrオリンピア7連覇チャンピオンが明かす
圧倒的な腕を作るための50のポイント
① 上腕二頭筋、上腕三頭筋を一緒にトレーニングする
上腕二頭筋、上腕三頭筋ともに一回のトレーニングで鍛え、弱い方を先に鍛える。
筋力もエネルギーも高い時点で、弱い方を先に鍛えるようにするのだ。
私は常に上腕二頭筋を上腕三頭筋よりも先に鍛えている。
私の場合、上腕三頭筋のほうが成長が早く、より簡単に大きくできるからだ。
② 一人でトレーニングする
一人でトレーニングすることの最大の利点は、自分のやり方、自分のペースでトレーニングできることだ。
自分の腕に何が一番効くのかは、私にははっきりわかっている。
一人でトレーニングすれば相手のペースに合わせる必要もない。
③ スタンディング・ダンベルカールを重視する
スタンディング・ダンベルカールは、私の上腕二頭筋のルーティンで常にカギとなっている種目だ。
動作範囲が大きく、左右の腕をそれぞれ片側ずつ鍛えることもできる。
④ 5レップずつ、交互に行う
ダンベルカールでは、私は左右交互に1レップずつ行う方法はとらない。
私の方法は、5レップずつを交互に行うといったものだ。
つまり、右で5レップ行ったら、左で5レップ行い、次に右で5レップ、左で5レップ、という方法で行う。
この方法をとると、セット中に左右どちらの腕にもより長く休息を与えられるので、レップ数をいくらか多くこなすことができる。
また、1レップずつ交互に行う場合よりも、鍛えている腕により集中してトレーニングできる。
⑤ ネガティブをコントロールした動作で行う
カールではネガティブでウエイトをゆっくり下ろし、しっかりとコントロールして行う。
それにより筋繊維をしっかりと刺激するのだ。
⑥ ピークを強化する
上腕二頭筋のピークの高さは、ほとんどが遺伝で決まる。
だが、トレーニングによって強化できる面もある。
私はトップポジションでやや長めに静止して、筋肉をさらに重点的に収縮させる方法をとり、ピークを強化するようにしている。
⑦ セパレーションを向上させる
素晴らしい腕の決め手となるのは、セパレーションや見事なディテール、ストリエーションを兼ね備えているかどうかといった点であることが多い。
そして、こうした要素を向上させるためには、トレーニングだけでなく、食事や有酸素運動にも重点を置いて、しっかりと実践する必要がある。
腕のサイズアップだけにとらわれてはならない。
大きくても脂肪がたくさんついていれば、か細い腕と同程度の評価しか受けないのだ。
⑧ 肘を動かさない
コンセントレーションカールは、体を安定させ、鍛えている側の肘が動かないようにすること。
そのために私は、ダンベルラックに体を固定して行うようにしている。
⑨ 左右均等の成長を目指す
私は左右の腕をできる限り均等に成長させるように努めている。
左右の腕が完璧な釣り合いをとって発達しているボディビルダーは稀だが、常に左右の完璧なバランスを目指してトレーニングすることが重要だと考えている。
⑩ 1セット10レップで鍛える
上腕二頭筋のトレーニングは必ず1セット10レップで行う方法をとっている。
上腕二頭筋については、これが成長を引き出すベストのレップ数だと考えているからだ。
⑪ 重すぎるウエイトを使わない
上腕二頭筋のトレーニングでは、1セット10レップができないほど重いウエイトを使う必要はないと考えている。
それ以上重くするとケガのリスクが高くなるし、腕を痛めれば上半身のその他のトレーニングができなくなってしまう。
トレーニングは賢く、慎重に行うべきだ。
⑫ 上腕筋を鍛える
上腕筋はリア・ダブル・バイセップスポーズをとった時に目立つ部位だ。
私は上腕筋をハンマーカールで鍛えるようにしている。
⑬ 前腕にハンマーカールを行う
私の場合、前腕はウエイトを持っているだけで成長が引き出されてきたが、ハンマーカールも行うようにしている。
ハンマーカールは他のカールよりも、前腕上部を直接的に刺激することができるからだ。
⑭ スパイダーカールを行う
私が好んで行うユニークな種目がスパイダーカールだ。
プリーチャーベンチの垂直になった側を使って行う方法で、筋肉の収縮を強めることができる。
⑮ プリーチャーカール・マシンを使って鍛える
私は時々プリーチャーカール・マシンを使って、片腕ずつ鍛える方法をとっている。
カールマシーンは体の大きな人には使いづらく、両腕を同時に鍛えることが難しい場合が多い。
しかし、片腕ずつ鍛えるようにすれば、腕を適切なポジションに置いて、上腕二頭筋だけを集中的に鍛えることができる。
⑯ 適切な量でトレーニングする
ボディビルを始めた当初、私は腕に量の多いトレーニングを行っていた。
上腕二頭筋、上腕三頭筋とも、それぞれ4種目を行い、1種目につき4~5セット行うというものだった。
だが今では、上腕二頭筋、上腕三頭筋とも、それぞれ合計12セット行う方法が適切だと考えている。
⑰ EZバーカールは最後に行う
私はEZバーカールは通常、上腕二頭筋のトレーニングの最後に行うようにしている。
そうすればあまり重いウエイトを使う必要がないからだ。
この時点では、それまでに行ったダンベル種目で上腕二頭筋を予備疲労させ、十分に刺激が与えられている。
⑱ EZバーカールをナローグリップで行う
EZバーカールはナローグリップで行うようにしている。
上腕二頭筋の外側の筋頭をより強く刺激できるからだ。
⑲ ピリオダイゼーションプログラムを使う
ピリオダイゼーションは、私のトレーニングで重要な要素となっている。
この方法でトレーニング計画を立て、ウエイトを重くする段階や、軽めのウエイトでレップ数を多くする時期を設定しているのだ。
腕のトレーニングではそれほど大きな違いは出ないが、ウエイトを重くする段階では1セットあたり10レップで行い、セット間の休息時間をやや長めにしている。
そして軽いウエイトを使う段階では、1セットあたり12~15レップとして、早いペースで行っている。
※ ピリオダイゼーション・・・年間のトレーニングをいくつかの段階に分け、各段階ごとに目標に設定して行うトレーニング法
⑳ 正確なフォームで行う
背中や肩、僧帽筋などを使って、ウエイトを振り上げるようなことはしないこと。
上腕二頭筋を集中的に使うことができなくなるからだ。
カール動作では正確なフォームで行うことが欠かせない。
㉑ アームブラスターを使う
カールを正確なフォームで行うために役立つのが、アームブラスターを使うことだ。
これを使うことにより、肘がしっかりと体側に固定され、しっかりと正しいフォームで行うことができるようになるので、使っているウエイトが倍の重さにも感じられる。
アームブラスター・・・肘の位置が固定されることで、上腕二頭筋を重点的に鍛えることができる器具
㉒ ツーアーム・ハイケーブル・カールを取り入れる
コンテスト前になると私は、ケーブルマシンを使って、ツーアーム・ハイケーブル・カールを行う。
この種目は、フロント・ダブル・バイセップスに似たポジションをとることになるからだ。
このように私は、ポージングに似た動作を行う種目をトレーニングに取り入れるようにしている。
㉓ 変化を取り入れる
筋肉を成長させ続けていくためには、トレーニングに変化をつけることが欠かせない。
様々な動作を取り入れることが、成長を引き出すためのカギとなる。
㉔ 全身をバランスよく鍛える
ボディビルでは、全身のボディパートをバランスよく成長させていくことが重要となる。
腕に重点を置く場合も、全身の他の筋群とのバランスをとって成長させていく必要がある。
上腕二頭筋は背中の種目にも使われるし、上腕三頭筋は胸と肩の種目でも働くことを頭に入れておこう。
そしてこの点を考慮して、腕のトレーニングのセット数やスプリットを計画する必要がある。
㉕ 様々な種目を取り入れる
上腕二頭筋、上腕三頭筋の種目には、それぞれにやや異なる方法で筋肉を刺激するものが多い。
したがって私は上腕二頭筋、上腕三頭筋とも、どの種目でもそれぞれ4種目を行うようにしている。
このようにして異なる種目を取り入れ、筋肉を様々な角度から刺激して、上腕二頭筋、上腕三頭筋のどの部位もしっかりと刺激されるようにしているのだ。
㉖ 弱点部位を優先する
私は学生時代、バスケットボールをやっていたが、その頃は上腕二頭筋よりも上腕三頭筋のトレーニングに重点を置いていた。
シュートやドリブルなどで上腕三頭筋が使われるようになるからだ。
だが、ボディビルを始めると、上腕二頭筋のトレーニングに、より重点を置くことが必要になった。
それは上腕三頭筋に比べて成長が遅れをとっていたからだ。
つまりここで言いたいのは、長所の筋群よりも弱点となっている筋群のほうに重点を置いてトレーニングをする必要があるということだ。
㉗ 鏡を活用する
腕を鍛えるときには鏡が『トレーニングの友』となる。
鏡を使ってフォームをチェックし、肘を動かさずに動作を行っていることを確認しよう。
㉘ 筋肉と意思の連携を築く
上述したように鏡を使うことは重要だが、私は目を閉じてトレーニングすることも多い。
そうすることで、1レップごとに筋肉が伸ばされる感覚、収縮する感覚をしっかりと感じ取るようにするのだ。
このようにして、筋肉と意思の連携を築くことが、筋肉作りを成功させるためには欠かせない。
㉙ 上腕三頭筋のレップ数は多めにする
私は上腕三頭筋のレップ数はやや増やし、通常12~15レップの範囲で鍛えるようにしている。
㉚ ロープハンドルでトライセップス・プッシュダウンを行う
私はトライセップス・プッシュダウンにはロープハンドルを使うようにしている。
ハンドルを左右に開くように押し下げ、ボトムポジションで上腕三頭筋を絞り込むことができるからだ。
動作範囲を大きくし、筋肉の収縮を強めることにもなる。
㉛ プッシュダウンを正確な動作で行う
トライセップス・プッシュダウンは不適切な動作を招きやすいフォームでもある。
肘を上げてウエイトを引き上げないこと。
肘は固定し、動作全体を通して体側に保っておくことが重要。
㉜ バックレスト付きのマシンを利用する
私がトレーニングしているジムには、パッド付のバックレスト(背当て)のあるトライセップス・プッシュダウンのマシンがある。
これを使うと、体をまっすぐに起こして動作を行うことになり、不適切なフォームになるのを防いでくれる。
㉝ トレーニング刺激に変化をつける
体は与えられる刺激にすぐに適応してしまう。
したがって、異なる刺激を与えて、新たな反応が引き出せるようにしなければならない。
そのためには、行う種目の順序を変えるといった簡単なことで効果が得られる場合もある。
しかし、特に上級レベルになると、スーパーセットやジャイアントセットなどの高強度なテクニックを取り入れるといったことが必要になる場合もある。
㉞ インターバルは短めにする
私のトレーニングは、かなり速いペースで行う。
腕のトレーニングでは通常、セット間のインターバルは1分以内としている。
㉟ インクライン・ツーダンベル・トライセップス・エクステンションを行う
私が上腕三頭筋に行うユニークな種目の一つが、インクラインベンチを使い、ダンベル2個で行うトライセップス・エクステンションだ。
セット全体を通して肘を外側に向けておくので、ボトムポジションではフロント・ダムル・バイセップスポーズのような姿勢をとることになる。
㊱ 無理のないポジションで行う
自分の体に無理のない方法で行えるポジションを探すようにしよう。
私はダンベル・トライセップス・エクステンションでは肘を外側に張り出しておくが、この方が肘に無理がないからだ。
しかしその場合も可動域全体を使って動作を行い、肘を頭の横に引き付けて行う場合と同じように上腕三頭筋をしっかりと働かせることができるようにしている。
㊲ 賢くトレーニングする
チーティングを使わずに正確なフォームで行い、レップをこなすのがよりきつくなるようにしよう。
不正確なフォームで重いウエイトを扱っても、成長を引き出すことにはならない。
そして関節や腱といった組織はケガを引き起こしやすいことも頭に入れておく必要がある。
上腕二頭筋、上腕三頭筋の断裂といったケガを防ぐために、賢くトレーニングすることの重要性を、しっかりと頭に刻み込んでおこう。
㊳ 写真を撮って進歩を確認する
私は若い人たちに、写真をたくさん撮るようにアドバイスしている。
自分がどのように進歩しているかを確認する最良の方法となるからだ。
今日撮った写真を1年後に見れば、どれだけ進歩したか、あるいはどの点に進歩が得られていないのか、トレーニングのどんな点を改善する必要があるのかといったことを判断する材料になる。
㊴ フォーストレップを行う
私は通常、一人でトレーニングしているが、トレーナーがいればフォーストレップを行うこともある。
フォーストレップ・・・セットで限界に達したところで、パートナーの補助を受け、さらに数レップ繰り返すテクニック
㊵ クローズグリップ・ベンチプレスを行う
私は上腕三頭筋のルーティンにクローズグリップ・ベンチプレスを取り入れている。
あまり重いウエイトは使わずに、最低でも1セットあたり12レップは行う方法で行っている。
クローズグリップ・ベンチプレス=ナローグリップ・ベンチプレス=ナローベンチプレス
㊶ 予備疲労法を使う
私は上腕三頭筋には予備疲労を活用している。
アイソレーション種目 (トライセップスプッシュダウン、トライセップスエクステンションなど) を最初に行い、あらかじめ疲労させた後、上腕三頭筋の種目の後半でコンパウンド種目(プレス系やディップスなど)を行って、しっかりと鍛え上げるのだ。
㊷ スタティックホールドを取り入れる
私はスタティックホールドをトレーニングに取り入れ、必要があればいつでも活用する。
スタティックホールドは筋肉の緊張時間を長引かせることができ、私の重要なトレーニングルーティンの一つとなっている。
スタティックホールド・・・静止したまま筋肉を収縮させるテクニック
㊸ 写真や音楽を使ってモチベーションを高める
トレーニングのモチベーションを高める写真や音楽を活用しよう。
私がトレーニングを始めた頃は、上腕三頭筋を鍛える時はいつも、ケビン・レブローニの腕をイメージして、やる気を高めていた。
㊹ 利き手側との差をなくす
私は一時期、右腕よりも左腕のレップ数を増やしてトレーニングしていた。
右利きのため、左右のバランスをとって強化しようと考えたからだ。
私は常に、利き手側とそうでない側の差をなくすように努めているが、この考えはバスケットボール選手時代に培われたものだ。
ドリブルでもシュートでも、利き手でない方でもうまく使えるようになれば弱点が克服できる。
㊺ ディップスを行う
ディップスは常に、私の上腕三頭筋のルーティンに欠かせない種目だ。
マシンで行う場合も、バーで行う場合もあるが、重要なのは体を真っ直ぐに起こした姿勢で行うことだ。
体を前傾させてしまうと、負荷が上腕三頭筋でなく胸に移ってしまう。
㊻ マシンを活用する
マシンを軽視しないこと。
マシンの技術はこの10~20年の間に大幅に進化した。
なかにはバーベルやダンベルよりも効果的に筋肉を刺激するものもあるのだ。
㊼ ディップスで限界まで追い込む
私はディップスは上腕三頭筋のトレーニングの最後に組み入れ、どのセットも限界まで行うようにしている。
最初のセットは最低でも15レップはできるが、最後のセットになるとレップ数は減る。
ディップスを限界まで行う方法は、上腕三頭筋のトレーニングを締めくくる非常に効果的な方法となる。
㊽ 最終種目で7セット行う方法を取り入れる
強烈なパンプアップを引き出したければ、上腕二頭筋、上腕三頭筋のルーティンのそれぞれ最後の種目で7セットを行う方法を取り入れてみよう (セット間インターバルは20~30秒とする)。
この方法は、強度を高めるための種目として、私の重要なトレーニングツールの一つとなっている。
㊾ 早急に成果を求めない
トレーニングですぐに成果を求めようとしないこと。
成果を得るために必要なのは、着実に継続していくことだ。
質の高いトレーニングを重ね、適切な食事を摂り、数か月、数年にもわたって継続していく。
そうして続けていくことによって、自分の可能性を最大限に引き出していくことができるのだ。
㊿ ポージング練習を活用する
ポージング練習を取り入れることは、腕のトレーニングの効果的な方法だ。
その理由は、どのポージングでも腕の筋肉を強く収縮させなければいけないからだ。
競技ビルダーでなくても、腕のポージングを行うことで、筋肉と意思との連携を強化することにとても役立つ。
参考:フィル・ヒースの腕のルーティン
・ヒースカール 3セット10レップ
・コンセントレーションカール 3セット10レップ
・スパイダーカール 3セット10レップ
・ロープ・トライセップス・プッシュダウン 3セット12~15レップ
・インクライン・ツーダンベル・トライセップス・エクステンション 3セット12~15レップ
・クローズグリップ・ベンチプレス 3セット12レップ
・ディップス 3セット限界レップ
※ヒースカール・・・スタンディング・ダンベルカールを左右交互に、それぞれ5レップずつ行う方法で繰り返す。
