※ こちらの記事で紹介しているサプリメントには、世界アンチ・ドーピング規定の監視プログラムとなる成分が含まれます。2021年現在、禁止成分ではありませんが、監視プログラムから禁止成分へ変更となる可能性もあるため、JADA加盟団体のアスリートの方はご注意ください。
体脂肪を効果的に減らしながら筋肉を増やしていく為には、単に炭水化物や摂取カロリーを減らすだけでは十分な成果を上げることはできません。
食事やサプリメント摂取、トレーニングなど、体脂肪燃焼を促すためには様々な要素がかかわっているためです。
今記事では体脂肪燃焼を効果的に行うための【18のアドバイス】を紹介します。
これらの方法をうまく活用し、効果的な減量・ダイエットを行いましょう。
① 体熱産生サプリメント
体熱産生サプリメントは新陳代謝を高める作用をもたらすサプリメントです。
体熱産生サプリメントを飲むことで、同じ運動を行っても、より多くのカロリーを燃焼することができます。
さらに、体を動かしていない安静時のエネルギー消費量も多くなるというメリットもあります。
ほとんどの体熱産生サプリメントはノルアドレナリンの分泌量を増やすことにより効果をもたらします。
体熱産生サプリの一つとして効果が期待できるのが、柑橘系の果物に含まれる成分『シネフリン』です。
シネフリンは運動の1時間前に10㎎を摂取することにより、十分な効果が期待できます。
食欲抑制効果や褐色脂肪細胞の刺激による体熱産生効果を期待するのであれば、運動前にこだわる必要はありません。
ただし、寝つきを悪くする可能性がある為、夕方までに摂取し、夜遅い時間は避けるようにしましょう。
※シネフリンは心拍数を増やし、血圧を上げる可能性がある為、心疾患の方は摂取を避けましょう。
■ 脂肪分解とアドレナリン受容体について
アドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンをまとめて『カテコールアミン』と呼びます。
カテコールアミンは『アドレナリン受容体』と結びつくことによって作用します。
アドレナリン受容体は大きく『α型』『β型』に分けられます。
β型のアドレナリン受容体には、脂肪の燃焼を活性化する働きがあります。
さらに、β型のアドレナリン受容体の中でも『β3アドレナリン受容体』は強い脂肪燃焼活性化作用を持っているのです。
そしてアドレナリン受容体にはカテコールアミン以外にも様々な物質が結びつくことができます。
シネフリンは『β3アドレナリン受容体』と結びつくことができるため、シネフリンを摂取することにより、β3アドレナリン受容体が働き、脂肪の燃焼を活性化させることができるのです。
また、α型アドレナリン受容体の中でも特に『α1アドレナリン受容体』には食欲抑制効果もあります。
シネフリンはα1アドレナリン受容体とも結びつくことができるため、食欲抑制効果も発揮することができるのです。
なお、脂肪細胞には『白色脂肪細胞』と『褐色脂肪細胞』があります。
褐色脂肪細胞は体温調節機能を持っており、体熱を発生させる作用があります。
体熱が発生するということは、それだけカロリー消費が行われることになりますが、シネフリンには褐色脂肪細胞を刺激して、体熱を上げる働きがある為、この経路からもカロリー消費を増やすことができます。
② 体脂肪燃焼サプリメント
体脂肪燃焼効果の高い成分を複合的に配合したダイエット用サプリメントを『ファットバーナー』といいます。
体脂肪を減らすためには、脂肪を多く燃やすだけではなく、体に蓄積されている体脂肪を燃焼することが重要です。
上記の成分は、日常的に食品にも含まれている成分で安全性が高く、脂肪燃焼効果の高いものになります。
ダイエットサプリというと効果や安全面で怪しいと思う方もいるようですが、ファットバーナーの成分は食品にも含まれている成分で安全性が高く、脂肪燃焼をサポートする効果は科学研究により実証されていますので、安心して飲むことができます。

③ 食欲を抑えるサプリメント
体脂肪減少を促進するためには、そもそも食べ過ぎはNGです。
食欲を抑えて食べ過ぎを防ぐサプリメントとして『シモンドシン』という成分があります。
シモンドシンは植物のホホバから抽出された成分で、コレシストキニンというホルモン(満腹感をもたらし食欲を抑える)の生成を刺激することにより、食欲を低下させる作用があります。
1回に100~500㎎を1日1~3回(胃が空の状態で)摂取してみましょう。
前述の『シネフリン』にも食欲を抑える効果があります。
④ 甲状腺ホルモンの働きを高めるサプリメント
7-ケト(keto)
『7-ケト(keto)』というサプリメントには、甲状腺ホルモンの生成を増やす可能性があるといわれています。
7-ケトは体内でもDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)という副腎皮質で作られる男性ホルモンのひとつの代謝物として作られるもので、甲状腺ホルモンの生成を増やすことから、代謝を高める作用が期待できるようです。
1日に100~200㎎を2~3回に分けて摂取するようにしましょう。
⑤ 必須脂肪酸を摂取する
健康に良い必須脂肪酸(特にオメガ-3【n-3系】脂肪酸)には、体脂肪燃焼を促進する働きがあります。
食品やサプリメントから必須脂肪酸を適量摂取するようにしましょう。
オメガ-3脂肪酸を含むサプリメントには、魚油やアマニ油(フラックスシード)などがあります。
魚油の場合は1日に2~4ℊを、アマニ油であれば1日に大さじ1~2杯程度摂取するようにしましょう。
ほかに必須脂肪酸を豊富に含む食品としては、アボカド、ナッツ類、脂質の多い魚、植物油、などがあります。
⑥ 1日の食事回数を増やす
食べた食品を体内で代謝(分解)するためには、カロリーが消費されます。
つまり、食事を摂るたびにカロリーが消費され、代謝が上がることになります。
そのため、食事回数を増やすほど代謝が高まるのです。
また、回数を増やして頻繁に食べるようにすれば、カロリーや栄養素を絶えず体に送り込むことにもなり、体内のタンパク質(筋肉)を分解してエネルギー源として使う働き(異化作用・カタボリック)を防ぐこともできます。
1日に6~8回、2~3時間おきに食事を摂るようにしましょう。
⑦ 1回に摂取するカロリーを少なくする
1日の食事回数を増やすとすれば、1回に摂取するエネルギー量は減らし、摂取エネルギーの増加を防ぐ必要があります。
また、1日の総摂取エネルギーも、体重が維持される量よりも減らして、エネルギー不足を作り、体脂肪がエネルギー源として利用されるようにします。
食欲を抑えるためには、3番目に挙げた『シモンドシン』のサプリメントも役立つでしょう。
⑧ 総摂取カロリーは極端に減らさない
一般に体脂肪を落とすダイエットでは通常摂取しているエネルギーよりも20%程度、総摂取エネルギーを減らすのが効果的です。
通常は1日に3000kcal摂取して体重が維持されているとすれば、減量ダイエットでは2400kcalを摂取し、それ以下には減らさないことが重要です。
摂取エネルギーを減らし過ぎると、エネルギー不足を補うために筋肉などのタンパク質を分解してしまうことにもなります。
そうして筋肉が分解されると、代謝が低下し、体脂肪減少効果が妨げられてしまうのです。
⑨ 1日の後半になるほど、摂取カロリーを少なくする
体脂肪燃焼効果を高める効果的な方法の一つとして、1日の後半になるほど、食事の摂取カロリーを減らしていくことです。
例えば、1日に2400kcal摂取する場合、朝食で600kcal摂り、次の食事は順に500kcal(間食)、400kcal(昼食)、300kcal(間食)、400kcal(夕食)、200kcalと、摂取エネルギーを少なくしていきます。
※5回目の食事を400kcalとしているのは、夕食である程度の量を食べられるようにするため。
⑩ 炭水化物は控えめに
体脂肪を落とすダイエットというと、炭水化物を全く摂らない人もいます。
しかし長期的にみれば、炭水化物を摂らないという選択は効果的ではありません。
目安として、炭水化物の摂取量を最も少なくする日でも、1日に体重×2ℊを摂るようにしましょう。
ほとんどの男性の場合、炭水化物を1日に200ℊ摂取しても、効果的に体脂肪を減らしていくことができます。
⑪ 1日の後半になるほど、炭水化物の摂取量を減らす
摂取カロリーを減らす場合、炭水化物と脂質の摂取量を少なくすることが効果的な方法です。
そして炭水化物は、1日の後半になるほど摂取量を減らす方法をとります。
例えば、1日に200ℊ摂る場合、朝食で80ℊ摂り、次の食事は順に40ℊ(間食)、40ℊ(昼食)、0ℊ(間食)、0ℊ(夕食)としていきます。
午後にトレーニングを行うと仮定して、トレーニング後に40ℊ摂取します(トレーニング後の炭水化物摂取については14番を参照)。
また、夕食と夜遅い食事では炭水化物を摂取しないようにしましょう(摂取したエネルギーが体脂肪として蓄積されやすいため)。
⑫ 消化の早い炭水化物(高GI)の摂取は控える
消化の早い炭水化物(砂糖や単純炭水化物)は体脂肪を落とすダイエットには適していません。
吸収が早くすぐにエネルギー源となるのですが、逆に体脂肪として蓄積されやすいからです。
また、血糖値の急激な上昇と低下を招くので、エネルギーレベルの低下につながりやすくなります。
その結果、さらに炭水化物を食べたいという欲求を引き起こし、食事のコントロールが難しくなってしまいます。
消化の早い炭水化物は1日を通して控えるべきですが、摂取するベストのタイミングは、トレーニング直後です。
この時間は炭水化物をできるだけ早く体内に送り込んで、筋肉内の失われたグリコーゲンを補充することが最重要となります。
単純炭水化物の摂取によるインスリンの急上昇をメリットとして役立てることができるでしょう。
⑬ 消化速度の遅い炭水化物(低GI)を主体に摂る
トレーニング直後を除いては、単純炭水化物はできるだけ避け、1日を通して消化速度の遅い複合炭水化物を主に摂るようにしましょう。
インスリンの急上昇を招かないことで、血糖値をより安定して維持することができ、エネルギーレベルの低下や、炭水化物を食べたいという欲求を防ぐことができます。
複合炭水化物源としては、玄米やオートミール、全粒粉のパンやパスタなどがあります。
⑭ トレーニング直後は消化の早い炭水化物(高GI)を摂る
12番で触れたように、筋グリコーゲンの補充を進め、筋の回復と成長を促すために、トレーニング直後だけは消化の早い炭水化物を摂取する必要があります。
減量を目指さない時期(バルク期)には、トレーニング直後に単純炭水化物を80ℊとホエイプロテイン40ℊ程度を摂取し、体脂肪を落とす時期(減量期)には、単純炭水化物40ℊとホエイプロテイン40ℊを摂るようにすると良いでしょう。
ダイエット中は甘いものが基本的に食べられなくなります。
ですが、上記の説明通り、トレーニング直後だけは甘いものが解禁される重要なタイミングでもあります。
高GI炭水化物の中でも、洋菓子は脂質が多くおすすめできませんが、和菓子で筋グリコーゲンの回復ができるのです。
大福は1個が約100ℊ前後のものが多いと思いますが、大福100ℊで炭水化物53ℊ、タンパク質4.5ℊ、脂質0.6ℊです。
どら焼きであれば1個60ℊで炭水化物29ℊ、脂質3ℊ、タンパク質3.5ℊです。
和菓子は高GI炭水化物であり、脂質が非常に少ないとても有効な食品なのです。
トレーニング後にご褒美が食べられるとしたら、やる気もUPすることでしょう。
⑮ 脂質の少ないタンパク質をしっかりと摂る
タンパク質源には卵の白身や鶏肉、牛の赤身、白身の魚、ホエイプロテインなど、脂質の少ない食品を食べるようにしましょう。
体脂肪減少を目指すダイエットでは、通常よりもタンパク質の摂取量を増やしても大丈夫です。
筋肉作りのダイエットでは、タンパク質を1日に体重×2ℊ摂ることが基本ですが、体脂肪減少を狙ったダイエットでは1日に体重×3ℊ摂取するようにしましょう。
⑯ 水をたくさん飲む
水分を十分に摂ることは健康の維持・増進には欠かせないことですが、体脂肪減少ダイエット中は特に重要となります。
その理由として、タンパク質をたくさん摂る食事では脱水が進みやすくなるからです。
ハードなトレーニングを行っていると、一般の人よりも水分摂取の必要性は高まるため、できればミネラルを多く含む水を飲むようにしましょう。
体脂肪減少ダイエットを行い、ハードなトレーニングを行っている人は、水を1日に4ℓ以上飲むことをおすすめします。
⑰ 食物繊維を積極的に摂る
水と同様、食物繊維も、健康の維持・増進だけでなく、体脂肪減少ダイエットで特に重要となります。
食物繊維を摂ると満腹感が高まりますが、その他にも腸の機能を高め、タンパク質などの栄養素の消化・吸収を向上させます。
そして脂質の吸収を妨げ、摂取エネルギーを抑えるメリットもあります。
筋肉作りを目指す人は、食物繊維を1日に30g以上摂るようにした方が良いのですが、体脂肪減少ダイエット中は40ℊを目標にしましょう。
ただし、食物繊維の摂取量を増やす場合、急激にではなく徐々に多くしていくことが重要です(消化の問題を防ぐため)。
例えば、1日30ℊの摂取から、32~33ℊに増やす日を1週間続けるといったペースで、目標まで少しづつ増やしていきましょう。
⑱ 野菜・果物を十分に食べる
果物や野菜には水分や食物繊維が豊富で、健康を高める様々な栄養成分も含まれています。
野菜はエネルギー量が少ないので、減量ダイエットには特に効果的な食品となります。
果物も比較的低カロリーですが、野菜よりも糖分の含有量が多いので、減量ダイエット中は1日に1~2個の摂取に留めましょう。
蒸した野菜(ブロッコリー、カリフラワー、ホウレンソウなどの葉物野菜)はいくら食べても大丈夫です。
こうした野菜を1日通してたくさん食べるようにしましょう(これらの野菜の中の微量な炭水化物摂取量は考えなくてもよい)。
〇 体脂肪燃焼を促すトレーニングのポイント
食事とサプリメントが重要という説明をしてきましたが、さらに体脂肪燃焼を促進するためにはトレーニングも重要です。
摂取カロリーを減らすとともに消費カロリーを増やすことにより、体脂肪燃焼がより効果的に行われるようになります。
しっかりとトレーニングを行い、脂肪燃焼を加速させるために以下の方法を取り入れましょう。
有酸素運動を行う
朝食前の有酸素運動は体脂肪燃焼にとても効果的です。
朝食前に行うことで体脂肪をエネルギー源として使うことができます。
もし何か摂取してから行いたい場合は、アミノ酸6~10ℊか分離 (アイソレート) タイプのホエイプロテイン10~20ℊを飲んでから有酸素運動を行いましょう。
ダブルスプリットトレーニングを行う
ダブルスプリットとはトレーニングを1日2回に分けて行う方法です。
ダブルスプリットトレーニングを行うことにより代謝をより高めることができ、消費エネルギーもより多くすることができます。
全身を鍛えるトレーニングを行う
全身のトレーニングを週3~4回行いましょう。
全身のトレーニングは、1部位につき1~2種目行います。
これにより成長ホルモンのレベルも高められ、代謝が上がり、体脂肪燃焼が促進される効果が得られます。
全身のトレーニングを行うと、トレーニング後も2日~3日程度代謝の高い状態が維持されます。
