今回は筋肉の発達にめちゃくちゃ大事な”水分”のお話です。
水は身体にとって最も大切な栄養素
ボディメイクをしている方のほとんどが、炭水化物、たんぱく質、脂質を気にして、マクロ栄養素の計算を行っていることとと思います。
しかし、あなたは体にとって最も大切な “ 水 ” という栄養素を十分に意識して摂取できているでしょうか?
水は体にとって最も大切な栄養素です。
脳の80%、血液の90%、筋肉の70~80%が水分です。
体内で起こるすべての化学反応には、水が関係しています。
人間の体内では、毎日何億という化学反応が起こっています。
これには筋肉の合成や、脂肪の分解に必要な化学反応も含まれます。
そのため、水分量低下は体内の化学反応を遅らせ、スポーツパフォーマンスを低下させるのです。
水分を十分に摂取していれば、これらの化学反応がスムーズに働くため、十分に水分摂取を行っているトレーニーは、慢性的に水分が不足しているトレーニーよりも、ハードにトレーニングすることができますし、体の発達も早くなるのです。
体内の水分量が低下するとどうなるか
体内の水分量が2%失われるだけで体は運動機能の低下を起こします。
◆ 水分減少量症状
・ 2% 喉の渇き
・ 3% めまい、食欲不振
・ 4% 強い疲労感、体温上昇、皮膚の紅潮
・ 5% 頭痛、熱感
・ 8~10% 痙攣
・ 20%以上 無尿、死亡
体内の水分が2%失われると喉の渇きを感じ、運動能力が低下しはじめます。
3%失われると、めまい、食欲不振などの症状がおこり、4~5%になると、強い疲労感や頭痛などの脱水症状があらわれます。
そして、体内の水分量が10%以上失われると、死に至ることもあります。
人間にとって水分の摂取は、欠かすことができないとても大切なものなのです。
トレーニングの話に戻りますが、食事から十分なカロリーが取れていなくとも、ハードにトレーニングすることは可能です。
しかし、2日間水を飲まずにいたら、トレーニングするエネルギーは全くなくなってしまうでしょう。
人間の身体は、食事を摂らなくても筋肉や脂肪を分解し、エネルギーを作ることで数週間は生きられるようにできています。
もし水分を摂取できなかった場合、10日ももたないでしょう。
また、運動している方は、汗をかくことによって、大量の水分とミネラルが失われるため、運動をしていない人よりずっと多くの水分を必要とします。
そのため、運動している人が水分を摂取しなければ、5日以内に死んでしまうかもしれません。
平均的な成人の場合、一日に最大2リットルの水分を消費、排出します。
しかし、ボディビルダーの場合は、これよりずっと多くの水分が必要です。
つまり、筋肉量が多ければ多いほど、それだけ多くの水分が必要となるのです。
体重70kgでトレーニングを行っていない平均的な男性は、90kgあるボディビルダーの3分の1の量、140kgあるボディビルダーの半分の量しか水分を必要としません。
ボディビルダーは一般の人よりも基礎的な代謝が高いので、普段から余計に水分が失われてしまいます。
さらに、ウェイトトレーニングは、体内で何千という化学反応を引き起こすため、それに伴って水分の必要量を爆発的に増やすのです。
一日の水分摂取量
ボディビルダーは一日にどのくらい水分を摂取したらよいのでしょうか。
◆ 水分摂取目安量
・ 体重 45~68kg 4リットル
・ 体重 69~91kg 5リットル
・ 体重 91kg以上 6リットル
多くの人にとって喉の渇きは、体が水分を必要としているというシグナルです。
喉が渇くという感覚は、血中の塩分量によってコントロールされています。
塩分量が多ければ脳に指令が送られ、それは喉の渇きとして現れます。
血中の塩分量は、口の渇きを起こし、水を飲みなさいというシグナルになります。
しかし多くのボディビルダーは減量中に塩分の低い食事をしています。
そのため、喉の渇きが常に信頼できるシグナルだとは限りません。
喉や口が渇かなくても、細胞レベルで水分が不足していることがあるのです。
また、塩分を多めに取っているボディビルダーは、電解質バランスを保ち、塩分を体外へ排出するために、より多くの水分摂取が必要になります。
もし塩分の高い食事をしているのに、その塩分を体外へ排出するのに十分量の水分を取らなかった場合、体は浮腫んで見えてしまいます。
ボディビルダーには除脂肪体重1kgあたり少なくとも2gのたんぱく質が必要です。
このように高タンパクを摂取する場合にも、十分な水分を摂取することが必要になります。
これは、たんぱく質が代謝されるときに生じた老廃物を排出する役目を担う腎臓をサポートするためなのです。
細胞への水分補給と筋発達
スポーツ栄養学における最新の進歩の一つに “ セル・ボリューマイジング(cell volumizing)”があげられます。
セル・ボリューマイジングとは、筋細胞中に含まれる水の量を表すのに使われる言葉です。
細胞中の水分レベルが高い場合、筋発達が起こり、低い場合には筋発達が妨げられることがわかっています。
筋発達の為には、細胞の水分量を上げ、細胞を膨張させておくことが重要です。
細胞が膨らめば、たんぱく合成やグリコーゲン合成が促進され、筋グリコーゲンの分解が妨げられるからです。
■ 筋細胞を膨張させる簡単な方法
1 . 水分摂取量を多くする。
2 . 食事中に十分な炭水化物とたんぱく質を含み、毎回の食事に一緒に含む。
3 . オルニチン-α-ケトグルタレイトを摂取する。
炭水化物とたんぱく質の組み合わせは、インスリンの分泌を促進します。
インスリンは、炭水化物を筋肉に運び、グリコーゲンを作ります。
グリコーゲンとは、炭水化物が蓄えられるときの形であり、このグリコーゲンは大量の水分を筋肉へ引き付けます。
これにより、筋肉の分解を防ぎながら筋発達を促すことができます。
そしてインスリンは、アミノ酸を筋肉へ運びます。
アミノ酸、特にBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)は、筋肉を発達させるシグナルとなります。
ナトリウムは、一般に筋細胞の外に存在するミネラルですが、インスリンは炭水化物とタンパク質を筋肉へ運ぶときに、このナトリウムも引っ張り込みます。
ナトリウムが筋細胞中に入れば、そのナトリウムを薄めるために、水分が細胞中へ流れ込みます。
これにより、さらなるセル・ボリューマイジングを引き起こします。
セル・ボリューマイジングを効率よく引き起こすためには、サプリメントを使うことが有効です。
以下に、セル・ボリューマイジングを効率よく引き起こすためのOKG ( オルニチン-α-ケトグルタレイト ) について軽く紹介しておきます。
OKG(オルニチンα-ケトグルタレイト)
OKGはオルニチンα-ケトグルタレイトまたは、オルニチン2‐オキソグルタル酸と呼ばれています。
一酸化窒素の前駆体であり、オルニチンとα-ケトグルタル酸(オルニチン&ジカルボン酸)を塩化したものです。
OKGは体内のアンモニアの除去に働き、体から余分なアンモニアを取り除いてくれます。
アンモニアは、高タンパクの食事やハードトレーニングの結果生じる毒素であり、余分なアンモニアは、筋収縮、エネルギー生成を妨げることで、体の回復力を低下させます。
またOKGは、必要に応じてアルギニンを生成します。
アルギニンは極度のストレス化にある場合や筋肉疲労が激しいとき、成人にとっては不可欠なアミノ酸です。
それに加えてOKGは、それ自身をBCAAに変え、必要とあらばBCAAの蓄えを補給する事ができるのです。
OKGの最も大切な作用として、筋肉内のグルタミンレベルを上げてくれるという事があります。
グルタミンは、筋肉内において最も消耗の激しいアミノ酸です。
BCAAやOKGを取ることによってグルタミンの合成が高まれば、より多くのBCAAが細胞中に運び込まれ、さらなる膨張を促します。
また、グルタミンレベルが高いと、理想的な筋肉の発達が起こりますが、グルタミンレベルが非常に低い場合、例えカロリー、炭水化物、そしてたんぱく質が十分に取れていても筋肉をつけることは不可能となります。
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