意志と筋肉の連携をしっかりと行うことができれば、筋肉の成長を最大限に促すことができるようになります。
しかし、こうした考えは科学的ではなく、経験則の一つでしかないという人たちもいます。
でも、実際に意識と筋肉の連携は実在するのです。
今回の記事は、意志と筋肉の連携によって、筋肉の活動を高められるという研究結果の紹介です。
意志と筋肉の連携の研究
アップステート大学(サウスカロライナ)の研究で、ウェイトトレーニングを行っているフットボール選手たちを被験者として以下の点が調べられた。
選手たちはベンチプレスを各自の1RM(1レップだけ挙げられる最大重量)の50%(20レップ以上が行える重量)で3セット、そして1RMの80%(約7~8レップが最大となる重量)で3セットを行い、胸筋、上腕三頭筋、三角筋前部の筋活動を測定。
選手たちには、セットごとに以下の指示が与えられた。
・第1セット:指示なし
・第2セット:胸筋のみを使って動作を行うよう指示
・第3セット:上腕三頭筋のみを使って動作を行うよう指示
意志と筋肉の連携の研究結果
軽重量(1RMの50%)を使い、胸筋のみを使うように指示されたときには、何も指示が与えられなかった場合と比較し、胸筋の筋活動が22%増加した。
上腕三頭筋のみを使って1RMの50%の重量を使った場合には、上腕三頭筋の筋活動が26%増加した。
高重量(1RMの80%)を使った場合には、意識を集中するように指示された筋肉の活動量には、それほど顕著な増加は認められなかった。
意識と筋肉の連携の研究の結論
ベンチプレスのような種目で、特定の筋肉に意識を集中して動作を行うと、その筋肉の働きを高めることができます。しかしこの効果は、軽重量(1RMの50%)を使う場合の方が高い可能性があるということです。
○高重量(1RMの80%程度)を使う場合は、特定の筋肉への意識よりも、重いウェイトを上げることに意識を集中する。
○軽重量(1RMの50%程度)を使う場合は、ターゲットの筋肉に意識を集中する。
このように意識することで、その筋肉の活動を高める効果が期待できます。
筋肉の活動量が増えれば、その結果として筋肉をより大きく成長させていくことができるのです。
