ブドウ糖と果糖の違いって知ってます?
この話はなかなか複雑なんです・・・
ブドウ糖と果糖の化学式はC6H12O6となり、同じ単糖です。
ブドウ糖と果糖はどちらも炭水化物であり、糖質であり、単糖です。
しかしながら、体内での代謝の仕方は全く異なります。
糖質の一種であるデンプンは、消化・吸収されるときには100%ブドウ糖となります。
その一方、砂糖はブドウ糖と果糖がくっついた二糖類であり、吸収されるときはブドウ糖50%、果糖50%になります。
ブドウ糖は血糖値を上げますが、インスリン抵抗性は生じません。
果糖は、血糖値はほとんど上げませんが、インスリン抵抗性を生じさせます。
低血糖症と糖尿病(2型)は、血糖値調節異常からくる疾患であり、血糖値調節異常はインスリン抵抗性が原因となって生じます。
肥満の場合はインスリン抵抗性とレプチン抵抗性も原因となっています。
肥満、糖尿病、盲腸(虫垂炎)、高血圧、心疾患、脳血管障害、痛風、アルツハイマー型認知症、乳ガンなどのガン、歯周病は、いずれもインスリン抵抗性から生じる疾患です。
インスリン抵抗性はブドウ糖によっては生じず、果糖によって生じるのですから、これら疾患を予防するにはブドウ糖の摂取を制限するのではなく、果糖の摂取を制限すべきです。
栄養学では「果糖は体内に吸収されると肝臓でブドウ糖に変換されるため、果糖とブドウ糖を区別する必要は無い」と考えられています。
そのため、栄養学の研究、特に疫学研究においては、食事内容の糖質量のみを調べ、糖質の種類、特に果糖の量に関してはブドウ糖と区別してきませんでした。
だから糖質制限は寿命を延ばすとか、反対に糖質制限は寿命が短くなって危険だとか、糖質制限である種の病気の死亡率が増加するとか様々なことが言われておりますが、そのような疫学研究は、ブドウ糖と果糖を区別していないものが多く、研究価値は全くありません。
ブドウ糖と果糖は全くの別物であるということは
生化学では常識、栄養学では非常識である
ということを、ぜひ皆様に知っていただきたいと思います。
