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エナジードリンクの危険性

昨今人気のエナジードリンク

若者の依存性の問題や、海外では死者が出るなど様々なニュースを見ます。

エナジードリンクの問題点は『カフェイン』の依存性や中毒性については様々言われていますが、問題はカフェインだけじゃないと思うんです。

ということで

『エナジードリンクの危険性』について、ちょっと違う視点で。

エナジードリンクの危険性

エナジードリンクが中高生の間でブームになっていて、依存症になる子どもたちが続出しているというニュースがありました。
それもそのはず、依存性を最大限に利用したドリンクがエナジードリンクなのですから。

エナジードリンクの依存性の中心がカフェインにあるという意見をよくみます。

もちろんカフェインは神経を興奮させ、高揚感が得られるという精神作用があり、依存性を持つ物質です。

しかしカフェインの依存性は単独では弱いものでしかありません。

エナジードリンク依存の中心は、異性化糖(High Fructose Corn Syrup:HFCS)です。

一般的な異性化糖は果糖55%ブドウ糖45%なので、HFCS55と呼ばれています。

異性化糖(HFCS55)は生化学的に砂糖とほぼ同等の働きですから、砂糖と考えて頂いて大丈夫です

砂糖は極めて高い依存性を持つ物質であり、その依存性はラットの実験ではコカインの14倍にもなります。

砂糖はこの高い依存性のために、古くから世界商品となった物質です。

19世紀までは今日の石油のような扱いでした。

この高い依存性ゆえに、世界中どこでも愛され、消費され、巨万の富を生み出してきました。

砂糖がヨーロッパに普及し始めた当初は、紅茶やコーヒーなどに加えられていましたが、これは紅茶やコーヒーに含まれるカフェインと関係があります。

砂糖は基本的に中枢神経に興奮性に働きます。

これと同じく中枢神経興奮作用のあるカフェインと併用することで、相乗的に効果が増大し、依存性も相乗的に増加するのです。

500mlのコカ・コーラには、56.5gの砂糖(異性化糖)が入っていますが、500mlの水に56.5gの砂糖を溶かして飲んだとしたら、甘すぎて飲むことができないでしょう。

ではなぜコーラは美味しく飲めるのでしょうか?

それにはいくつかの要因があります。

まず、コーラには酸味と苦みが加えられているということ。

酸味と苦み自体は人間にとって好ましくない味覚です。

酸味は果物が熟していないことを知らせる味であり、苦みは毒であることを教える味覚と考えられています。

しかしコーラには、酸味と苦みが加えられていて、これによって砂糖をたくさん加えても美味しく飲めるように味を調整しているのです。

それに炭酸が加えられ、冷やされているということも飲みやすい要因です。

砂糖は依存性の強い物質なのですから、たくさん入れるほど依存性が強まります。

コーラの原型はフランスで売られていたヴィン・マリアーニというワインです。

このワインは粉末にしたコカの葉(成分としてコカインを含む)と、コーラナッツが加えられていました。

最初はアトランタ州でこのワインの販売がされたそうです。

ところが1885年にアトランタ州で酒類の販売が禁止され、アルコールの代わりに砂糖を加えるようになりました。

1902年にコカインの薬物依存が社会問題となり、コカ・コーラからコカインは取り除かれ、代わりにカフェインが加えられるようになりました。

酸味と甘みによって砂糖の量を増加することができ、さらにカフェインの依存性と相まって、コカ・コーラは世界的大ブームとなったのです。

ちなみに世界で最も認知されている言葉は「オーケー(okay)」ですが、二番目は「コカ・コーラ」なんだそうです。

美味しく感じられる範囲での砂糖の最大添加量を「至福点」といい、各清涼飲料水メーカーや製菓メーカーなどでは

『いかに大量の砂糖を加えることができるか』
が熱心に研究されているといいます。

酸味や苦みを加えること、炭酸飲料にして冷やして給仕することなどがこれまで成されてきました。

コーヒーや紅茶は通常は温かく、温かい飲み物はたくさん飲めません。

ホットの缶コーヒーとアイスの缶コーヒーの大きさを比べればよく分かります。

清涼飲料水は、砂糖の依存性によって世界を制してきたのです。

ちなみにチョコレートはアメリカのアステカ文明で摂られていたものを、スペイン人がヨーロッパに持ち帰りました。

アステカ人はカカオにトウガラシなどを加えて摂っていて、甘みは全く加えられていませんでした。

スペインやポルトガルでカカオに砂糖を加えてホットチョコレートとして飲む文化が生み出され、貴族たちの間で流行したのが今日のチョコレートのルーツとされています。

カカオにはテオブロミンという物質が含まれていて、これはカフェインほどではないですが、中枢神経興奮作用のある物質です。

やはり中枢神経興奮物質と砂糖のコンビネーションによって依存性が高まったことが、普及の大きな要因となっています。

カフェインにせよ、テオブロミンにせよ、単独では弱い依存性しか持ちません。

これが砂糖という強力な依存性を持つ物質と結びつくことで、相乗的により高い依存性を生み出します。

エナジードリンクとは、この『至福点』を極限まで高めた商品です。

体に対して良い効果など全くなく、単なる毒、麻薬ともいえます。

砂糖とカフェインが持つ中枢神経興奮作用は、覚せい剤と同じく、疲労感を軽減させ、やる気と活力がみなぎり、元気が出るような錯覚を与えます。

戦後ヒロポンが労働者階級で爆発的なブームになったのと同じことが、エナジードリンクで繰り返されているにすぎないのです。

エナジードリンクを飲んだことがある人なら、その強力な甘みとともに、酸味と苦みもまた強いことが良く分かるでしょう。

これが至福点を高めるための工夫なのです。

コーラよりもさらに強い依存性を追求した結果が、このエナジードリンクなわけです。

このように、エナジードリンクの問題の本質は、単にカフェインだけの問題ではなく、異性化糖の問題も考えなければ根本的解決にはなりません。